ランナーが必要とする5つの栄養素
ランナーと栄養
栄養はランナーにとって非常に重要です。適切な栄養摂取はパフォーマンス向上や回復力の向上になります。日本スポーツ協会も、食事や栄養が競技で活躍するための重要な要因であると言います。
ランナーに必要な栄養素
● マグネシウム
ランナーのパフォーマンス向上には、筋肉のエネルギー生産を増やす必要があります。これにはミトコンドリアの好気性呼吸の活性化が必要です。マグネシウムは、ミトコンドリアでのエネルギー生産をサポートする上で重要な役割を果たします。マグネシムにはそのほか、炎症軽減、筋肉量の維持、フリーラジカルによる損傷軽減などの効果があります。さらに、筋肉のダメージを修復する作用もあり、トレーニング後の回復を早めます。お風呂にエプソムソルトを入れて、トレーニング後に体を落ち着かせましょう。
● オメガ3
オメガ3は、強力な抗炎症作用で筋肉痛を緩和します。また、ミトコンドリアの働きをサポートします。オメガ3は、植物性由来のαリノレン酸、魚介由来のDHA、EPAの3つに分けられます。その中でEPAが筋肉痛を和らげる効果があるとされています。オメガ3は通常、人間が作り出すことができません。そのため、食物から摂取する必要があります。EPAは青魚に多く含まれています。
● 亜鉛
亜鉛は、筋肉組織の成長と修復に必要な栄養素です。200以上の酵素反応に必要であり、インスリン、甲状腺、性ホルモンなどのホルモンをサポートし、抗炎症作用があります。亜鉛は免疫系のサポートにも重要な役割を果たしており、亜鉛不足は体力、持久力、心肺機能に影響を及ぼします。亜鉛不足は女性ランナーに多いといわれています。身体では作ることができないので、食事で摂取する必要があります。亜鉛を摂取しすぎると貧血や胃の不調につながるので、範囲内で摂取しましょう。ランナーの場合は、男性なら45mg/日。女性なら35mg/日まで摂ってもよいでしょう。
● 鉄
鉄は、酸素を組織へ運ぶのに役立つ栄養素です。鉄分が不足すると、有酸素運動能力に影響を与え、エネルギーが低下します。特に女性アスリートでは発症率が高く、ロンドン五輪前の日本人選手を対象にしたメディカルチェックでは対象者の20%以上に鉄欠乏の状態が認められました。運動を行うと、鉄の吸収を抑制するようにはたらくヘプシジンの濃度が数時間にわたり上昇することで、運動後に鉄の吸収が数時間にわたり抑制されることが鉄欠乏の原因ではないかという新説も唱えられています。鉄の吸収にはビタミンCも必要ですので一緒に摂取しましょう。
● ビタミンC
ビタミンCは、免疫系や結合組織のサポートに重要な役割を果たし、炎症を抑える効果もあります。体内の主要なタンパク質物質であるコラーゲンの生成に主要な役割を果たします。また、強力な抗酸化物質であり、筋肉組織の成長と修復に必要です。ビタミンCは、活性酸素の中でも最も酸化力の強いヒドロキシラジカルにも効果的です。また、トレーニング中に怪我をした場合、ビタミンCは傷を治し、軟骨を修復し、腱、靭帯、血管を強化するのに役立ちます。