遅いランナーと速いランナーの6つの
違い
2016年バルセロナマラソンの参加者を対象とした研究が行われました。研究では、ランナー歴9年、平均年齢38歳の男性を対象としました。その結果、遅いランナーと速いランナーに違いがあることが分かりました。
速いランナーの特徴
● 脂肪の摂取が多い
速いランナーは、遅いランナーに比べて多くの脂肪を摂取していました。特に、一価不飽和脂肪(オメガ9)と多価不飽和脂肪(オメガ3、6)脂質です。効率よくエネルギーに変えることができているようです。オメガ9が含まれる食べ物には、アーモンドやマカダミアナッツ、牛肉、鶏肉などがあります。オメガ3は、 まぐろ、さば、鮭、さんまなどに。そして、オメガ6は まぐろ、いわし、かつおなどに含まれます。
● ミネラルや食物繊維の摂取が多い
速いランナーは遅いランナーよりも、多くのカリウム、マグネシウム、食物繊維を摂取していました。カリウムは、ナトリウムと一緒に働き、細胞を正常に保ったり血圧を調整するなどの働きがります。発汗により不足しやすく、不足すると神経や筋肉の機能が損なわれます。マグネシウムは、不足すると筋ケイレンや筋疲労などになります。食物繊維は、善玉菌を増やし腸内環境を改善し、全身の免疫機能を向上します。
● 体重が少なくコレステロールが良好
速いランナーは遅いランナーよりも体重が平均5Kg軽く、コレステロールの値が良好でした。LDL(悪玉)コレステロールが高いと、血液がスムーズに流れずに血管を傷つけたり、詰まらせてしまいます。速いグループの方が摂取カロリーが高いにもかかわらず(おそらくトレーニング量が多いため)、遅いグループより体重が少なかったことは、レース後の痛みと循環器系の効率において有利だと考えられています。
● トレーニング量が多い
遅いランナーは週に64kmのトレーニングを行っていました。一方、速いランナーは週に80kmのトレーニングを行なっていました。早稲田大学競走部を対象とした研究では、箱根駅伝に出場したチーム全体の走行距離と成績に関連はなかったものの、4年間駅伝に出場した選手は、4年間駅伝に出場しなかった部員に比べ走行距離 が多く、個々の選手においては「走った距離は裏切らない」ということは正しいと考えられる結果となりました。
● ナッツや野菜果物の摂取量が多い
速いランナーは、ナッツや野菜、果物の摂取量が多いことが分かりました。ナッツには、肉や魚と同等の割合(15〜25%)のタンパク質が含まれています。さらに、良質な油やミネラル、食物繊維が豊富です。野菜や果物には、ビタミン・ミネラルや食物繊維が豊富で、抗酸化作用が高いものが多いです。速いランナー達は、食事に関心が高いです。そして、バランスの良い食事を摂取できていることが分かります。
● 筋肉と心臓の損傷が軽い
速いランナーは、マラソン後の筋肉および心臓損傷のマーカーも大幅に低下しました。バランスの良い食事ができているためか、損傷も少なく済んでいるようです。ビタミンやポリフェノールなど、抗酸化作用の高い食品を摂取することで、筋肉のダメージを防ぐことができます。また、ビタミンやポリフェノールは運動後の回復にも役立ちます。これらを摂取することで、ダメージを抑え素早く回復できます。