マラソンとタイム
適切なトレーニングを行えば、多くの人はマラソンを 4 ~ 5 時間で完走できます。マラソンを 4 時間以内で完走することを目標とする人もいれば、7 時間以上を目標にする人もいます。自分の能力と目標マラソンタイムに合わせてトレーニングを計画しましょう。
マラソンタイムで測るレベル
フルマラソンの平均タイムは、男性で4時間35分前後、女性で5時間06分前後です。ハーフマラソンでは、 男性で2時間05分前後、女性で2時間20分前後となっています。マラソンタイムをもとに、初心者、中級者、上級者と振り分けることができます。
● 初心者ランナー
● 中級者ランナー
● 上級者ランナー
サブ3ランナーは上位4.0%
サブ3は、ランナーの憧れです。2022年1月から12月に開催されたJAAF公認のフルマラソン6大会でのランナーの記録を集計したデータによると、サブ3以上のランナーは4.0%でした。男女別では、男子上位4.7%、女子0.7%という割合になっていました。
マラソンタイムに影響を与える5つの要素
ランナー達は、マラソンタイムを更新しようと日々練習に励んでいます。しかし、マラソンでは的確な準備も重要です。マラソンでは次の要因がマラソンタイムに直接影響します。
● トレーニング
トレーニングに費やす時間が増えれば増えるほど、マラソンのパフォーマンスは向上するとされています。様々な研究で、走行距離が多いと、競技成績が良いと判明しています。走行距離が多いと、VO2maxよりもVO2VT(酸素摂取量)が優れ、5000m以上の競技においてVO2VTはVO2maxよりも競技成績との相関が高いことが報告されています。距離走をメインに、インターバルトレーニングなども取り入れ、より少ない労力でより速く走れるようにトレーニングを積みましょう。
● 栄養と水分補給
最適なパフォーマンスを得るために、レース前 、レース中に適切な栄養と水分補給を行いましょう。フルマラソンを水だけで乗り切れるのは、エリートランナーの中でもごくわずかです。4時間かかるようなランナーは必ず補給が必要です。炭水化物は1時間当たり30~60g摂取し、走り始める30分前までには250〜500mlの水分を補給し、レース中は、1時間に500〜1000mlを目安に補給しましょう。15分おきに150〜250mlを補給する目安です。事前に必ずシュミレーションしましょう。
● 天気
天気ばかりはどうにもなりませんが、マラソンタイムに影響を与えます。高温または多湿の場合は、予想よりも動作が遅くなることが予想されます。最もパフォーマンス向上する気温は6〜8度と言われています。15度を超えるとパフォーマンスが低下しだします。また、向かい風では7.5秒/1km遅くなり、追い風では 3.7秒/1km速くなると研究で判明しました。そして雨の日は、エネルギー消費量が増加し、血中の乳酸も増加するとされており、パフォーマンスが低下しがちです。
● コース状況
マラソンのコースによってもタイムに差が出ます。例えば、上り坂は平坦な道よりも体力を使います。なので、なるべく平坦な道で構成されている大会を選ぶと、タイムが良くなりやすいです。東京マラソンは獲得標高8mと国内の大会でもかなり平坦なコースになっています。一方、榛名湖マラソンは獲得標高569mと国内の大会のなかでもかなりアップダウンの多いコースとなっています。コース内容をよく確認し、事前にシュミレーションをして本番に臨みましょう。
● ペース
レースでは、ペースの調整によって、マラソンタイムに影響します。サブ3を達成するための目標ペースは平均4分15秒/kmです。きっちりイーブンペースで走り続けることができれば40秒早くゴールできます。サブ4を目指すなら、目標ペースは平均5分41秒/kmです。54秒の猶予があります。一定のスピードで走るイーブンペース、前半ペースが速いポジティブスプリット、後半ペースがあがるネガティブスプリットがありますが、市民ランナーはイーブンペースを目標に走ることをおすすめします。