エナジージェルの代わりになるもの
マラソンとエナジージェル
ハーフマラソンやフルマラソンなど、60分以上走る場合には糖質の補給が推奨されています。走る時間が60分未満の場合は、水だけで十分です。糖質の補給の目安量は、1時間ごとに45~60gです。糖質の補給は、グリコーゲンの枯渇による疲労を回避でき、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。そして、筋肉の分解を防ぎ筋肉を保護することができます。さらに、糖質の補給によって血糖値を維持することで、持久力やパフォーマンスを維持することができます。マラソンでは、エナジージェルで糖質補給をする人が多いです。
エナジージェルの副作用
市販のエナジージェルは、濃厚な糖質のゼリー状食品です。甘ったるくて苦手と感じるランナーも少なくありません。濃厚なエナジージェルは、高濃度の糖分や成分が胃腸に刺激を与え、吐き気や胃痛、下痢などを引き起こす場合もあります。また、炭水化物単品のものは素早くエネルギーを補給できる一方で、糖が素早く血管内に入っていくので、血糖値の急上昇を招き、その後急激に血糖値を下げる血糖値スパイクを起こしやすいのも問題となっています。同様に、濃度は薄めですが、エナジーゼリーも注意が必要です。
エナジージェルの代用となるナチュラルフード
人工的なエナジージェルで副作用感じる方は、自然の食品から糖質を補給することをおすすめします。自然の食品には、糖質以外にも、様々なビタミン・ミネラルなどが含まれています。身体が動くには様々な栄養素が絡み合っています。糖質以外の栄養素も、マラソンを完走することに役立ちます。
● レーズン
レーズンは、小さな袋やポーチに入れて持ち運びしやすいので便利です。レーズン90粒程度(60g)で33gの炭水化物が含まれています。ランニングの途中で補給するのにぴったりな量です。生のぶどうの5〜20倍の栄養を含んでいます。脚のケイレンや貧血を予防するカリウムや鉄が豊富で、タンパク質も含まれています。
● バナナ
バナナをつぶせば、手作りジェルに最適です。20cm程度のバナナ1本をつぶすと、約30gの炭水化物が含まれています。そして、繊維質が少ないので、ほとんどのランナーは胃腸障害に苦しむことはありません。カリウムやエネルギー生産をサポートするビタミンB群も豊富です。変色を防ぐレモンと電解質補給に少しの塩を加えるのがオススメ。
● デーツ
柔らかく大粒の品種メジュールデーツは2個で約35gの炭水化物を含んでいます。ランニング中の燃料補給に一握り持っていくだけで十分です。バナナの1.5倍のカリウムを含んでおり、マグネシウムは100gあたり60g、カルシウムも100gあたり70gと豊富です。そして、低GIなので血糖値スパイクを起こす心配もありません。
● アップルピューレ
アップルピューレのパックは、ランニングの際に簡単に持ち運ぶことができます。150gあたり約30gの炭水化物を含みます。手作りする場合は、生のリンゴをピューレにすると茶色に変色するので、小鍋に切ったリンゴ1玉と1cmほどの水を入れ10分程度煮て冷ましたものをピューレにするのがオススメです。