マラソン前日までの食事
大会前の食事の鍵は糖質
マラソン前日までの食事では、糖の摂取が重要です。マラソンレースにおいて、主なエネルギー源は筋肉内に蓄えられたグリコーゲンという糖質です。脂肪からのエネルギーも利用しますが、糖質がないと脂肪は燃えません。日本人は一般的に糖を1500〜2000カロリー程蓄えています。ところが、糖は1.6kmで100カロリーを消費します。つまり、30km付近で糖が枯渇するという訳です。糖を十分に蓄えるために、カーボローディングを行うとと効果的です。
マラソン前日までの食事
● 1週間前〜4日
大会当日に向けてグリコーゲンを満タンにすることは重要です。しかし、大会前夜に大量に食べすぎてはいけません。1週間前から徐々に炭水化物を増やしましょう。1週間~4日前は、糖質は必要カロリーの50~60%を占める割合で摂取しましょう。 また、たんぱく質は10~15%、脂質は25~30%のバランスを目安にしましょう。
● 3日前〜当日
3日前~当日では食事全体の糖質を70~80%の比率で高糖質食を摂りましょう。炭水化物は、体重や胃腸トラブルへの影響が少ない低GIがおすすめです。通常のカーボローディングは、血糖値に影響を与え内臓に負担がかかることが懸念されています。GI値が低い炭水化物は、そば・全粒粉パン・玄米・パスタなどです。そのほか、鶏肉、魚、豆類、ヨーグルト、卵などの良質なタンパク質を摂取しましょう。また、ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物も摂取しましょう。
マラソン前日の食事で避けたいもの
● 脂肪が多いもの
高脂肪の食品は消化に時間がかかります。ですので、胃の不快感や消化の遅延を引き起こす可能性があります。脂身の多い肉類や、フライドポテト、唐揚げなどの揚げ物、チーズや生クリームをたっぷり使用したカルボナーラなどは避けましょう。デザートのケーキやアイスなどにも注意です。
● 生もの
刺身や生卵などの生ものには、食あたりや食中毒が懸念されます。食あたりや食中毒にかかると、胃腸の不調や下痢、嘔吐などの症状が現れる可能性があり、体調やパフォーマンスに悪影響を与えることが考えられます。マラソン前には十分な加熱処理が行われた食材を選びましょう。
● 食物繊維が多いもの
食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は、便を軟らかくすることでスムーズな排便を促します。そして、不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸の蠕動運動を活発にし、便通を促します。いずれの食物繊維も、過剰な摂取は控えるようにしましょう。食物繊維が多い食品は、芋類、こんにゃく、ごぼう、豆類などです。
● 過剰なアルコール
アルコール摂取によってコルチゾールが分泌されます。コルチゾールは、免疫系・中枢神経系・代謝系など、身体のさまざまな機能に影響を及ぼします。研究より、筋肉の分解を促進さる作用もあることが分かっています。また、アルコールは脱水症状を引き起こす可能性があります。マラソン前日には適量の水分を摂り、アルコールの摂取は控えるようにしましょう。
食事の時間
マラソン前日の夕食は、早めの時間帯に摂るようにしましょう。摂取した食物を胃腸が分解するのに3時間はかかると言われています。これより遅いタイミングだと、胃腸の中に食物が残った状態で眠ることになり、睡眠の質が低下する恐れがあります。早めに食事を摂ることで、食事を消化しリラックスするための時間を体に与えることで、質の良い睡眠をとることができます。