ランナーに必要な鉄を多く含む食べ物
なぜランナーは貧血が多い?
ランナーの貧血の割合は、一般の人よりも高いとされています。貧血には、ビタミンB12や葉酸が不足して起こるものなど様々な種類があります。ですが、ランナーの貧血の原因は、鉄が不足する鉄欠乏性貧血がほどんどです。研究によれば、長距離ランナーの約25〜50%が鉄欠乏性貧血であると報告されています。さらに、女性ランナーは鉄欠乏性貧血の割合が高く、約30〜50%が鉄欠乏性貧血であるとされています。
鉄欠乏性貧血の原因
鉄は赤血球のヘモグロビンの一部として必要な栄養素であり、鉄不足によってヘモグロビンの量が減少し、酸素の運搬能力が低下します。ランナーの鉄不足は、運動時に大量に汗をかくことで水分とともに鉄分も失われることが原因とされています。また、ランニング後は、鉄の尿中排泄量が増加するため、鉄の損失量が多くなります。トレーニングで疲れやすい、動悸や息切れ、立ちくらみ、パフォーマンスの低下などの症状がある場合は貧血の可能性があります。
鉄は2種類ある
鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は、そのままの形で吸収され、非ヘム鉄に比べて吸収率が高いのが特徴です。個人差もありますが、吸収率は一般的に約15〜25%とされています。肉や魚などの動物性食品に含まれます。
非ヘム鉄は、野菜や豆類などの植物性食品に含まれています。しかし、吸収率が悪く約2〜3%ほどしか吸収されません。ビタミンCやタンパク質、クエン酸と一緒に摂るとよく吸収するとされます。また、貝類はヘム鉄であり非ヘム鉄でもあります。
鉄の吸収を阻害するもの
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインや、緑茶やコーヒー、赤ワインなどに含まれるタンニンを多く含む飲み物は鉄の吸収を妨げることがあります。また、牛乳や乳製品に含まれるカルシウムや、スナック菓子や清涼飲料水などに含まれるリン酸塩も鉄の吸収を阻害することがあります。鉄を効果的に吸収するためには、時間をずらして摂ることで、吸収の阻害を回避することができます。
鉄製の調理器具からも摂取できる
鉄製の調理器からも鉄を摂取できます。鉄のフライパンで炒め物をすれば、それだけで摂取できます。また、お鍋やヤカンに鉄玉を入れて、スープやお茶を沸かせば簡単に鉄が摂取できます。