6つのランニング前にやってはいけないこと
1. 静的ストレッチ
筋肉を伸ばしたまま数十秒静止するいわゆるストレッチは、厳密には静的(スタティック)ストレッチと呼ばれています。2000年以降研究が進み、実は静的ストレッチをするとかえってパフォーマンスが落ちるという研究報告が出てきました。例えば2012年の論文では、筋力が5.5%ダウン、下半身の安定度に至っては23%ダウンという結果が発表されています。ランニング前には、簡単なウォーキングやジョギングを行い、その後、脚振り・ランジ・スクワット・カーフレイズなどの動的ストレッチをするのがオススメです。
2. アルコールの摂取
前夜にアルコールを飲むと、二日酔いでなくても、ランニングに影響する可能性があります。まず、アルコールを飲むと睡眠が妨げられ、十分な疲労回復ができません。340mlの飲酒が効果的な睡眠を妨げるという研究もあります。また、アルコール分解のために肝臓が忙しくなり筋肉の合成、回復が阻害されます。そして、アルコールは筋肉の育成に欠かせない成長ホルモンの分泌も抑制します。さらに、脱水症状になる可能性もあります。その他、運動中の代謝能力を損なう可能性があるという研究もあります。
3. ランニング直前に食べすぎる
ランニングの直前に食べ過ぎるのは良くありません。長距離を走る場合には、たくさん食べないとと思うかもしれません。しかし、後で大変なことになります。ランニング中は、血液が消化器官に送られにくくなり、消化に時間がかかります。ですので、食べ過ぎは胃に負担がかかり、気分が悪くなる場合もあります。しかし、十分なエネルギーの確保は必要です。ランニング30分前には、トースト1枚にナッツバターを塗ったり、エナジーバーやバナナなど軽めに食べると良いです。しっかり食べる場合は、消化の時間を確保し、2時間くらい前に食べて下さい。
4. ランニング前にトイレに行かない
出かける前にもう2、3分トイレに座っておくべきだったと思うランナーは多いです。ランニング前にトイレに行くという習慣をつけると、すぐに自動的にトイレが済ませられるようになります。朝のランニングのスケジュールがタイトな場合は、トイレに行く時間もスケジュールに組み込んでおくとよいでしょう。トレーニングがトイレで中断されなければ、より多くの時間を節約することができます。
5. 体の声に耳を傾けない
これは、ランニングの前にやってはいけないことリストのトップでしょう。トレーニング計画を立て、それを忠実に実行するのは素晴らしいことです。しかし、あまりに詰めすぎた計画を立てると、自分の体がどのように感じているのかに目をつぶってしまうことになりかねません。計画は大切ですが、どんな状況でも無理やり遂行するよりも、柔軟に対応できる方が怪我などを回避できます。トレーニングで疲れ切っていませんか?休息はトレーニングの重要な一部であることを忘れないでください。
6. 水を飲みすぎる
ランニングには水分補給が大切ですが、ランニング前に大量の水をガブガブ飲むのは、ランニング前にやってはいけないことの一つです。直前にがぶ飲みをすると胃腸に負担がかかり、思うように走れなくなってしまいます。それよりも、日常生活で十分な水分補給をすることに重点を置きましょう。食事等に含まれる水分をのぞいた量として、1日 1.2 Lが推奨されています。走る前の30分間は水分を控え、30分前までに250~500mlの水を少量ずつ飲んでおくようにしましょう。30分前の時点で、十分な水分補給ができているのが理想的です。