ランナーが食べるべき炭水化物!
ランナーに必要な炭水化物の量は?
スポーツ栄養士によると、ランナーに必要な炭水化物は体重と強度によって異なります。では、具体的にどのくらい必要なのでしょうか。
炭水化物の摂取は、量だけでなく、質も重要です。注目したいのはGI値。
GI値が高い食品は、一気に血糖値を上昇させます。血液中の糖の処理に多量にインスリンが分泌され、血液中の脂肪酸を中性脂肪として体内に貯蔵させるという現象が起こります。血糖値が急上昇した後には、今度は一気に血糖値が下降します。この時脳が食べ物が必要だと信号を発するので、空腹を感じ「何か食べたい!」という感覚が起こります。そこで食べてしまうと血糖値が一気に上がります。上がった血糖値を、一気に血液中の糖を処理することで急激に血糖値が下降するという悪循環に陥ります。
海外の研究では、低GI食品を食べると、より長く走ることができると判明しています。これは、高GI食品に比べて運動中の血糖値を安定的に維持できるからです。
オススメの炭水化物8つ
● バナナ
バナナの糖質は、ブドウ糖、果糖、ショ糖など色々な種類を含んでおり、それぞれ体内に吸収される速度が違うので、すべての糖が体内へ吸収されるまでに時間がかかるため、血糖値の上下が緩やかになります。バナナ中1本で、27gの炭水化物を摂取できます。ランナーに必要なカリウムも豊富。
● ベリー
ベリーには、炭水化物が多く含まれています。他にも、ビタミン・ミネラル・抗酸化物質が豊富に含まれています。ブルーベリー・ラズベリー・ブラックベリー・いちご・アサイーなどのベリー類は、トップクラスの高い抗酸化作用があります。運動前に食べれば抗炎症効果、運動後には回復を促します。
● 玄米
同じお米であっても、白米のGI値は88で高GI食品に分類され、精白されていない玄米は55で低GI食品です。白米と比べて、エネルギー代謝を助ける働きがあるビタミンB群が多く含まれています。 ビタミンB1とマグネシムは白米の5倍、食物繊維は白米の6倍も含まれています。
● ヨーグルト
プレーンヨーグルトは炭水化物とタンパク質を豊富に含み、グリコーゲンの補給と筋肉の回復を促すため、ランナーに最適な食品です。また、腸内環境を整えるプロバイオティクスが、消化を助けます。食べ物の消化効率が高いほど、走ることに使えるエネルギーが多くなります。
● 全粒粉パン
通常のパンには強力粉で作られていますが、全粒粉パンは全粒粉で作られています。全粒粉は、小麦の粒を丸ごと挽いて製造するので、表皮や胚芽も含まれ、栄養価が高いのが特徴です。普通の食パンのGI値が90と高いのに対し、全粒粉パンはGI値50と低GIで、血糖値の上下が緩やかです。
● オートミール
オートミールは消化が良く、100あたり69gの炭水化物が含まれています。オートミールに含まれる豊富な食物繊維は、血液中へのブドウ糖の吸収を遅らせ、エネルギーレベルのピークを維持し、食欲を抑制するのに役立ちます。エネルギーを高める栄養素も含まれているため、ランナーの疲労回復にも最適。
● レンズ豆
レンズ豆は、食物繊維と複合炭水化物が豊富です。複合炭水化物は体内にゆっくりと吸収され、エネルギーとして使われなかった分はグルコーゲンとして貯蔵され、筋肉の運動に用いられます。また、全身に酸素を運搬し、エネルギー生産と代謝に関わる鉄の含有量は豆類の中でもトップクラスです。
● さつまいも
さつまいもは複合糖質で、炭水化物分子が多く連なってできているので、消化して糖分に分解するのに時間がかかるため、長距離ランナーにとって不可欠な安定したエネルギーを供給してくれます。また、マンガンも豊富で、炭水化物の代謝を助け、さらに効能を高めてくれます。