マラソンタイムを的確に縮める方法
マラソンタイムを縮めるには、的確なプランを遂行することが重要です。やみくもトレーニングを積んでも、タイムが縮められるとは限りません。ここでは、マラソンタイムを縮めるための的確な方法をご紹介します。
現実的な走行距離
マラソンタイムを縮めるために毎週何km走ればいいのか、厳密なルールはありません。実業団のマラソン選手は月間800～1,000km走るといいます。箱根駅伝選手は800km前後。市民ランナーのトップは400〜500kmの月間走行距離を走るといいます。サブ３を目指すなら月間300km、サブ４なら月間200kmが目安とされています。しかし、トレーニングにどれだけの時間を割けるか、自分の体がどれだけの負荷に耐えられるか、現実的に考えてから計画を立てましょう。今やっていることから大きくステップアップすべきではありません。
休息日を設ける
プロのトレーニングを真似をすれば、レベルアップできる気がするかもしれません。大迫選手が参加したナイキ・オレゴンプロジェクトでは、シーズンが始まると完全休養は1回もなく、ずっと走り続けたそうです。しかし、プロのように休息日を軽視してはいけません。休息日はトレーニングの一部で、重要なものです。休息日を設けることで、トレーニングによって受けた筋肉の微細な損傷が再生し、強化されます。しっかり休むことで怪我を防ぎます。設定日数以外にも、身体と心が悲鳴をあげたら休むようにしましょう。遠回りのように思えますが、マラソンタイムを縮める近道になります。
筋トレで怪我防止
ランナーは、ただ走るだけではなく、筋力を鍛える必要性があります。筋肉をつけるとカラダが重くなったり、筋肉によってカラダが硬くなるという考えは間違っています。より強い筋肉はストライドにより大きなパワーを与えることができます。そして、体幹と上半身の筋力を鍛えることは、レース後半に疲れてきたときに良いフォームを維持するのに役立ちます。走る際には、片足ずつ動かします。ですので、ランジや片足でのデッドリフトなどの片側エクササイズを日課に取り入れると良いです。
闘値走で速いペースを維持
マラソンタイムを縮めるために、闘値走はとても有効です。闘値走は、長距離のスピードを向上させるために閾値ペースで取り組むトレーニングです。乳酸閾値（LT値)とは、筋肉内で乳酸が燃料として使われるよりも速く生成されることで蓄積し始め、スピードを落とす原因となるポイントのことです。このLT値に届く直前のペースが閾値ペースとなります。閾値走の強度として適切な心拍数は、最大心拍数の88%～90％になります。自分の閾値ペースで8分×2回、3分のリカバリーから始め、数週間後には閾値ペースで15分×2回に増やします。
目標ペースで練習する
ロングランでは、マラソンの目標ペースよりも1.6kmあたり1分ほど遅く走っても問題ないです。しかし、ショートランでは本番と同じペースで走る必要があります。これにより、目標ペースでのランニング効率が向上するだけでなく、スピード感覚も養えます。目標ペースでのテンポ走を何回か練習に加えてみましょう。目標のマラソンペースで8km程走るのは、簡単に感じるかもしれませんが、それでも効果は十分にあります。ペースを身体に覚えさせ、本番で再現しましょう。
ペースを守る
レースでの最も大きい過ちは、速く走りすぎることです。スタート直後は、足も元気でマラソンペースがかなり楽に感じられます。ですが、調子に乗って飛ばしてしまうと後半でエネルギー切れになり、完走が難かしくなる可能性があります。周りのランナーが勢いよく飛び出して走っていても気にしてはいけません。自分のペースに合った集団の中に入って、ついていくのも良い方法です。市民ランナーは、どうしても後半ペースが落ちてしまう人が多いので、イーブンペースを意識することがおすすめです。
精神を鍛える
トレーニングプランは体を鍛えるだけでなく、心も鍛えてくれます。ロング走をこなすごとに、レース当日への自信がついてきます。レース本番のペースで走ったなら、ゴールをイメージしやすくなります。インターバルでは、マラソンの最後の数kmで必要となる気力を養うことになります。ランナーに必要なのは、ブレない心です。1度決めたらそれを最後までやり通す強さが大切です。そして、オーバーペースにならない抑止力が完走タイムの安定に繋がります。
